被災地・避難所での感染リスクとは?
被災地・避難所での感染リスクには下記のようなものがあります。その時の季節・気温にもより深刻度は異なりますが、様々な感染リスクがあります。
被災地・避難所での感染リスク
備えておきたいもの ① マスク
まず最初にご紹介したいのがマスク。こちらは専門用語で「サージカルマスク」と呼ばれるものです。
目的
- マスクをしている人の唾液などが、外に飛ばないようにするため
- 自分の咳による飛び散りを防ぐため(咳エチケット)
- 自分を血液・体液等の汚染から守るため
*密閉度が限定的なため、粉じんの吸入を防ぐ機能は小さいです。
マスクの選び方は用途によって異なります。
通常の掃除レベルであれば、一般的に販売されているサージカルマスクの着用で問題ありませんが、周囲で重機を使っての作業をおこなっていたり、解体作業をおこなっている場合は、さらに性能の高いマスク・個人防護具が必要になります。アスベストなど人体に有害なものを吸い込んでしまうリスクなどを防ぎます。
リスク | 適切なマスクの種類 | マスクの主目的 | 作業内容 |
低い |
サージカルマスク |
マスク着用者が保持している病原菌などの拡散を防ぐ。 |
損壊した家に一時的に帰る。 通常の掃除 |
中程度 |
N95/DS2マスク |
空気感染予防(結核など)やアスベスト等の有害物質から自分を守る
粉じんの濃度が高い場合、自分を守る
*顔面との密閉度が重要なため、フィットテストが必要。
|
周囲で重機などの機械を用いて作業を行っている、粉じんの濃度が高い場所。できれば個人は近づかない |
高い |
PAPR |
CDC(米国疾病管理予防センター)が推奨する、空気感染曝露リスクの高い処置時着用する電動ファン付き呼吸用防護具。フィットテストの必要なし。 |
損壊した建物の解体作業 |
フィットテスト研究会資料より編集
マスクの種類
-
サージカルマスク
(ゼロマスク)
-
N95マスク
(Air+)
-
PAPR
( HALO )
*N95(DS2)マスクのフィットテスト
空気感染を予防するためには、自分の顔にフィットする「メーカー」および「サイズ」を知っていなくてはいけません。病院では機器によるフィットテストを行っています。
フィットテスト(定性、定量)
シールチェック
マスクは付け方・外し方が大事。
性能の高いマスクを選んでも、付け方がよくないと効果は半減。隙間ができないように注意して、鼻と顎までしっかり隠すように装着してください。
また、外す際にも、表面を手で触れないように外してください。表面には様々な汚れや細菌がついている可能性があります。
備えておきたいもの ② アルコール手指衛生剤
次にアルコール手指衛生剤。水が止まった場合、手洗いができなくなるため、代わりにアルコール手指衛生剤を使って手指衛生をおこないます。インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は手を経由して感染することが多いと言われています。
備えておきたいもの ③ 環境除菌ワイプ
衛生環境が悪化し、水が使えない場合に活躍するのが、環境除菌ワイプです。一般的なウェットティッシュとは異なり、除菌・洗浄が同時にできることが特徴です。薬剤入りのため、人体への使用は厳禁。感染管理の観点から使用の際には手袋をつけて使用するようにしてください。
備えておきたいもの ④ 使い捨て手袋
上記で手指衛生が重要だと書きましたが、菌やウイルスの感染は手指を介して広がることが多く、手指衛生の徹底が必須です。アルコール製剤と並んで大事なのが、使い捨て手袋。水がない状況で衛生的に調理や掃除をおこなうためには必須です。小さい乳幼児がいらっしゃるご家庭は、オムツ交換の際にも必要となるので、常備されることをおすすめします。
備えておきたいもの ⑤ 簡易トイレ
最後がトイレの問題です。水や電気が止まってしまいトイレが使えなくなった場合、どうしたらいいのか。簡易トイレの出番です。水がなくても使用でき、排泄物を固めて汚染拡大を防ぎます。バッグで封じ込めるため匂いも防止できるため、衛生的な環境づくりに欠かせないアイテムです。