ジョキンズ

感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。

2020年3月6日(金)

新型コロナウイルスに関する緊急特集の第三弾は、よりわかりやすく感染対策をお伝えできればと、一問一答形式で、新型コロナウイルスについてお伝えします!
いろんな情報が飛び交う中、「こんな場合はどうすればいいの?」「どうしたらいいかわからない!」と言った疑問にJOKIN’Sを運営します、モレーンコーポレーションの代表、草場恒樹さんにお答えいただきます。



草場恒樹 Tsuneki Kusaba

株式会社モレーンコーポレーション  代表取締役社長
1993年に同社を創業。以来、26年間一貫して医療関連感染対策を専門に従事。

日本環境感染学会会員
APIC(米国感染制御専門家協会)会員
北里大学・感染管理認定看護師教育課程 非常勤講師
北海道医療大学・感染管理認定看護師研修 非常勤講師
JICA国際緊急援助隊・感染対策チーム隊員


Q.

マスクが入手できません。どうしたらいいですか?

A.
困りました・・・。
確かに入手できないと不安です。ただ、マスクは感染から完璧に守れるスーパーアイテムではないです(残念ながら・・・)。 より感染管理で効果的なのは、「手指衛生」の方だったりします。

<解説>
この時期、マスクがないのは不安ですよね。国内メーカーも24時間フル操業で対応していますが、今回の需要に追いついていないのが現状です。(国内流通しているマスクの7割以上が中国で生産されているからです。)
ただ、重要なのは、マスクで感染は完璧には防げないと言うこと。
新型コロナウイルス感染症は、主に手に付いたウイルスが口や鼻、眼に取り込まれて発生しています。また、換気の悪い密閉空間で多くの人が集まるような場所も感染のリスクがある場所(感染クラスター)であることがわかっています。

では、大事なことは何かというと;

  • 1, 手指衛生をすること(不特定多数が触るモノに触れた後)
  • 2, 首から上を手で触らないことを習慣にすること
  • 3, 人混みや換気の悪い密閉空間には行かないこと
  • 4, 咳エチケットを習慣にすること

マスクがあってもなくても、これらには注意を払いましょう!

また、マスクで注意したいのは、頻繁な着け外し。
マスクに触れる回数が増えると、手が汚染され、さらにこれを繰り返すうちにマスク自体も汚染されていきます。
マスクの本来の目的は、感染を周囲に広げないことです。残念ながらマスクは感染から完璧に守れるスーパーアイテムではないです。 入手できないのは不安ですが、慌てすぎないようにしましょう。

Q.2

子どもの予防接種で病院に行かないといけないのですが、感染が心配です。延期すべきですか?

A.
まずは、かかりつけの小児科の先生に相談しましょう。

<解説>
できればこの時期に医療機関を訪問するのは避けたいですが、予防接種はスケジュールもあると思いますので、かかりつけの小児科に行く前に一度、連絡して外来の混み具合やタイミングを談して下さい。大きな総合病院は出来るだけ避けて下さい。この時期は外来に多くの疑い患者さんがいる場合があり、感染リスクのクラスターになっている可能性があります。もともと病院は、新型コロナウイルスに限らず、色々なウイルスや菌が集まる場所なので、病院のモノにはできるだけ触らず、出た後はよく手指衛生をしましょう。

Q.3

外出を控えるべきとはいえ、スーパーには行かなくては…。どんなところに気をつけたほうがいいでしょうか?

A.
スーパーは普通に行って下さい(笑) ただし、スーパー特有のリスクもありますので注意を!

<解説>
スーパーの場合は、不特定多数の人が、商品を手にとって戻しますよね。 この不特定多数の人が触った商品からウイルスをもらう可能性があるので、買い物中は首から上を手で触らないことが重要ですようにしましょう。 もちろん家に帰ったら、色々触る前にすぐに手洗いをするようにして下さい。

Q.4

安全な子どもの遊び場ってどこですか?

A.
屋内より、屋外の公園の方がおすすめ。遊具で遊んだ後は手洗いを。

<解説>
新型コロナウイルス対策の原理原則からすると、この時期はお子さんを家に閉じ込めるしかなくなってしまいますね涙。ただし、これまでの研究から感染のリスクとなる場所がわかってきているので、屋内の換気の悪い閉鎖された空間で大声を出したり、叫んだり、激しい運動をするような場所は避けた方がいいでしょう。 そういう意味では屋外の公園は人が密集していなければ、安全だと思います。遊具を触るなというのも難しいと思うので、遊んだ後は手洗いをして下さい。
また、大事なこととして、自分の子どもに風邪症状がある場合は、学童や他の子どもたちが集まる場所に行かせないようにして下さい。 トイレの後、食事やおやつの前には手洗いを、そしてちょっと難しいかもしれませんが、咳エチケットも教えてあげて下さい。

Q.5

風邪気味の夫・・・。子どもと隔離したほうがいい?

A.
この時期は隔離した方がいいと思います。

<解説>
風邪症状でも新型コロナウイルス感染症の可能性がありますので、1日に2回検温して、37.5度以上の熱が4日間以上続く場合や、 強い倦怠感・呼吸困難がある場合は直ちに、 「新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター」 に連絡して下さい。
特にご主人のお部屋の換気に気をつけて、トイレ等の移動にはマスクを着けてもらい、まわりをあまり触らずに手指衛生や咳エチケットも徹底してもらって下さい。

Q.6

出張で飛行機に乗らなきゃいけないのですが、大丈夫?

A.
閉鎖空間なので不安と思うかもしれませんが、意外と、飛行機の空調換気は優秀だったりします。

<解説>
2003年のSARSコロナウイルス感染症の際、3機のフライトにおける感染事例の研究があり、座席の近い人への飛沫感染が報告されています。(論文はこちら<英語>)ちょっと怖いですね。ただ、全体で見ると飛行機での感染のリスクは低いといえます。飛行機の空調換気はHEPAフィルターを組み込むなど、非常に優れています。
さらにリスクを軽減するには、トイレの後の手洗いや、座席テーブルをアルコールワイプで拭くことが挙げられます。

<まとめ>

以上、全6問、草場さんにご回答いただきましたが、いかがだったでしょうか?
もっとこれが聞きたい!と疑問が湧いた方は、SNSや、下記メールアドレスで質問を募集します!

Twitter:https://twitter.com/jokins_jp
Instagram:https://www.instagram.com/?hl=ja
mail:jokins@moraine.co.jp

いただいたご質問は、今後の記事などで草場さんにお答えいただきます!

世界的な拡大を見せる新型コロナウイルスに、どうしても不安になりがちな日々ですが、毎日健康に過ごすためにも最新情報をチェックしつつJOKIN’Sもご活用いただければと思います。(編集部)


share facebook twitter LINE