感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。
JOKIN’S presents スペシャルインタビュー
教えて、
厳しい勝負の世界に携わる
プロフェッショナルの観点から
感染対策もふくめた健康管理に全般について
話をしていただきました。
部谷 祐紀
Yuuki Hidani
2019年9月12日(木)
はじめに僕の20代の頃の失敗談からお話したいと思います。
2004年バスケットボール男子U18日本代表チームトレーナーとして、インドに遠征した時のことでした。
ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、高校生のバスケ日本代表ってすごいんですよ。
当時インドでおこなわれたFIBAアジア男子ジュニア選手権大会でも優勝候補と期待されていました。
しかしながら、現地に入るとメンバーが次々と体調不良に。
現地の食事が合わなくて、お腹をくだす選手が続出してしまったんです。優勝を狙っていたチームがまさかの9位惨敗。
周囲からは「食事で負けた」と言われることになってしまいました。まさかコート外の要因で負けるなんて…。
この反省をきっかけに、僕は栄養学を学ぶために大学へ。
それまでは鍼灸・マッサージ師の資格を持つなど、筋肉や関節など体の仕組みや動きを中心に学んでいたのですが、本番のパフォーマンスを発揮するためのサポートは、それだけじゃ足りないと実感したためです。
ココ一番に向けた仕上げ方、コンディションの整え方。そのためには、食事も大事。生活全般の管理も大事。
それこそ、食中毒対策はこのサイトのテーマである感染対策の一貫でもありますよね。もちろん、インフルエンザなどのウイルス対策も必須です。
この問題はアスリートに限ったことではなく、受験前のお子様や妊婦さんなど、「絶対に風邪をひけない」「体調を崩すわけにはいかない」という方もおなじかと思います。
今回は、僕の経験の中から、少しでもみなさまのお役に立てそうなことをお話ししたいと思います。
アスレティックトレーナーとして、選手のコンディション管理をおこなう際に、大事にしていること。
ポイントは大きくわけて4つあります。
一つ目が、体のしくみを知ること。
アスリートの体には、一般の人と比べて大きな負荷がかかっています。特徴としては、なんといっても免疫が落ちやすい。激しい運動をおこなうことで免疫が低下し、一般の人に比べて感染症にもかかりやすい。免疫に関わらず、体のしくみを知ることは日常生活においても大いに役に立つはずです。
二つ目が、睡眠。
これは「上手な休み方」という広い解釈をしていただいたほうがいいかもしれません。休むといってもただ何もしないわけじゃない。最近では「アクティブレスト」という「体を休めるための体の動かし方」という考え方も浸透しつつあります。
三つ目は、食事。
免疫が落ちがちなアスリートの免疫を落とさない食事。ビタミンA 、ビタミンC、ビタミンD、たんぱく質などの定番栄養素に加えて、腸内環境を整えることの重要性もぜひ知っていただきたい内容です。
四つ目が、メンタル。
ほんの一例ですが、たとえば、腰痛の8割は原因不明だと言われており、心理的なものが脳の痛みを感じる場所に影響を及ぼしているのではないかという説があります。
これらの具体的な解説は次の回から。全7回、じっくりお付き合いいただけると嬉しいです。
(Vol.02へつづく)