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2021年2月8日(月)
気づけばもう2月。
寒さもこれから本番を迎えますが、みなさん部屋の換気、しておりますでしょうか。
この寒いのに換気? という気持ち、非常にわかります。
しかし、非常事態宣言延長が決まり、まだまだ油断ができない現状、
3密の一つ「密閉」を回避するための換気は、非常に重要です。
具体的は実践方法は 後編 にて詳しくお伝えできればと思いますが、
まずは、換気の効果についてまとめました。
目次
新型コロナウイルス感染拡大で話題になった、空間除菌。
部屋に置くだけのもの、首にかけるだけのもの、いろんな商品が発売されています。
わざわざ、この寒い時期に窓を開けなくても空間除菌で十分では? と思われるかもしれません。
しかし、この空間除菌に関して厚生労働省は、WHOやCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の発表を参考に、次のように呼びかけています。
厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません。
また、科学的な根拠や空間除菌の有効性・安全性についても以下のように発表しています。
これまで、消毒剤の有効かつ安全な空間噴霧方法について、科学的に確認が行われた例はありません。また、現時点では、薬機法に基づいて品質・有効性・安全性が確認され、「空間噴霧用の消毒剤」として承認が得られた医薬品・医薬部外品も、ありません。
昨年話題になった次亜塩素酸水に関しても、消毒効果のある濃度の次亜塩素酸水を吸いこむことは推奨できない。空間噴霧は無人の状態で行うなど、人が吸入しないような注意が必要であり、また医薬品・医薬部外品の承認を得た次亜塩素酸水はないとのことです。
残念ながら、現時点で安全かつ新型コロナに有効と言える空間除菌はないようです。
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)5. (補論)空間噴霧について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
Photo by Elena Mozhvilo on Unsplash
換気の効果って目で見えるものではないので、実感が難しいですよね。
やっとの思いで窓を開けても、冷たい外気についつい我慢ができなくなって……という方もいらっしゃると思います。
換気の効果、具体的にはどうなのでしょうか。
新型コロナウイルスに関しては、数は多くありませんが、感染と換気に関する情報には以下のようなものがあります。
新型コロナ以外でも、代表的な空気感染症である結核やはしかでは、1時間に部屋全体の空気を2回未満しかできていない場合、拡散のリスクと関連がみられるという論文もあります。
効果が見えづらい換気ですが、データからはその効果が伺えます。
香港大学Yuguo Li教授グループによる広州レストランの感染に関する気流解析の図。換気が悪く、エアコンの気流で空気が滞留しているため、クラスターとなった。
図:香港大学Yuguo Li教授グループ提供
厚生労働省の推奨方法は以下の通りです。
30分に一回以上、数分間程度、窓を全開する。
(空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放する。窓が一つしかない場合は、ドアを開ける)
30分ごとに数分程度、しかも、窓は全開。冬場にこれを実行するのはかなり気合が要りそうです……。
もちろん、感染対策のための換気で風邪をひいては本末転倒ですよね。
WHOは、室内温度が低いと冬期の死亡率や呼吸器系疾患等の罹患率に影響があるとしており、
室温を18℃以上にすることを推奨しています。
しかし、室温を保ちながら換気って、どうすればいいのでしょうか?
詳しい方法については、次回 お伝えいたします!
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<参考文献>
「換気の悪い密閉空間」を 改善するための換気の方法
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618969.pdf
冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000698849.pdf
3密対策の「適切な換気」方法 一般家庭での目安は:忽那賢志先生
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201224-00213471