感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。
医療従事者インタビュー
教えて、並木さん!
感染管理の専門資格である
感染管理認定看護師である並木弥生さんに
家庭での感染予防のあり方について聞いてみました。
並木 弥生
Yayoi Namiki
2019年4月10日(水)
実はわたしもかかったことがあります。
すごく恥ずかしいですよ、こんな仕事してるのに!
家族にインフルエンザ患者が出た場合ですが、まず発見が重要です。なぜなら、本人が発症24時間前から他人へ感染可能性があるからです。
これは私の経験談です。
夫との会話のなかで、近くにインフルエンザにかかった人がいるとは知っていたんですね。いよいよ流行ってきたかと、頭の片隅で気にはしていたんです。
夫に、ワクチンを打つように言っていたのですが、忙しいことを言い訳に、打っていなかった。間も無く、いつもは元気と体力には自信ありの夫が、ドヨーンとして帰宅。
あ、コレはまずいなと思いました。絶対に私も感染したぞ!と。
というのは、インフルエンザは発症の24時間前から、ウイルスを放出するんです。つまり、症状が出る前から、他人にうつしてしまうということ。
結果、私もインフルエンザに感染してしまいました。
インフルエンザと診断されると、発症から5日間、解熱から2日間は外出禁止です。
片方クリアしたからといって外出してはいけません。両方をクリアしないと、人にうつしてしまう危険性があります。
お薬を飲むと熱はすぐ下がることも多いので、元気になったと勘違いする人もいます。
学校や仕事が休みだからといって、お寿司食べに行ったとかSNSに投稿しているのを見たことがあります。とんでもないっ!
発症から5日間、解熱から2日間は、ウイルス絶賛放出中。感染管理の基本は、まず他人にうつさないこと。人への思いやりをいちばんに考えて行動してほしいなと思います。
ワクチンに関する相談もよくうけます。
「ワクチンは2回打てばより強力なの?」とか、
「10月に打って、2月の受験シーズンまでもつの?」とか。
インフルエンザのワクチンは基本的には13歳以上の人は、1回の接種で大丈夫です。
こどもとお年寄りは免疫の獲得の仕方がちがうので2回打つことを推奨されています。インフルエンザのワクチンにもいろんな捉え方がありますが、私は肯定派です。重症化しやすい子どもお年寄りは特に早めに接種して、備えてほしいなと思います
予防のことで言うと、うがいについてもきかれます。
インフルエンザに関しては、うがいで予防できるという医学的根拠は薄いという実験結果がニュースになったこともありました。
ここで大事なことは、うがいというよりも、のどを乾燥させないこと。
乾燥すると、喉の粘膜にウイルスが入り込みやすい状態になります。
水分をこまめにとる、飴をなめるという手段も有効です。
マスクももちろん大事ですよ。マスクも使い方に注意したいですね。
一生懸命マスクしているのに、使い終わったマスクの外側を手で触ってその手で顔を触っちゃったりする人もいるんですよね。
なんのためにマスクしてたの?ってなっちゃいますから気をつけたいところですね。
(Vol.03へつづく)