ジョキンズ

感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。

更新日:2020年3月10日(火)現在

新型コロナウイルスに関する緊急特集の更新です。
JOKIN’Sの運営をおこなう株式会社モレーンコーポレーションは感染管理の専門企業として、2月初旬より、厚生労働省や日本環境感染学会DICTのオペレーションの後方支援として、ダイヤモンド・プリンセス号の感染制御に携わってきました。
3月10日現在、残念ながら国内で追跡不可能な感染事例が散発的に発生しており、新型コロナウイルス感染症が水際対策期から感染蔓延期に入ったと考える必要があります。今のところ効果的なワクチンや治療薬もできていないため、今できることは、適切な感染制御のみとなっています。
連日メディアではさまざまな報道がなされ、マスクも入手困難になるなどで、不安になってらっしゃる方も多いかと思います。今大事なことは、正しい知識を得て「感染しない・感染を広げない」ための行動をとること。JOKIN’Sでは常に最新の情報をアップデートし、ご案内したいと思います。

また、モレーンコーポレーションのオフィシャルHPでは「新型コロナウイルス関連肺炎に対する感染対策」というページを公開し、医療施設、一般の人々、それぞれに現在必要な感染対策の方法を掲示しておりますので、あわせて参照いただければと思います。

ポイント

手指衛生の徹底(最重要!)

コロナウイルスのおもな感染経路は、手に着いたウイルスが口や鼻、眼に取り込まれて感染につながっていると言われています。よって、もっとも重要な予防策は、流水・石けんでの手洗いとアルコール手指消毒です。具体的に気をつけていただきたいポイントを紹介します。

◎外出先

外出先で不特定多数の人が触れる可能性のあるものに触れた後には、必ず手指衛生を。つり革、ドアノブ、手すり、操作ボタン、バイキングのトング、新幹線や飛行機内のテーブルなど、案外たくさんあります。トイレの後、食事の前には、必ず手指衛生をしましょう。
また、外出先では首より上を手で触らない習慣を身につけましょう。

◎スマホ

外出から戻った際には、手指だけでなくスマホもキレイにすることが重要です。アルコールまたは、ウイルスに有効な成分の入ったワイプでキレイにするのが理想的ですが、手指衛生用アルコールをティッシュにとり拭いてもらうのもアリです。防水タイプのスマホであれば丸洗いが理想的ですね。手で触れる頻度が高いスマホは手指同様の注意が必要です。食事中のスマホは要注意。

◎アルコール消毒剤

入手が難しくなっていますが、携帯用アルコール消毒剤を持ち歩いて不特定多数の人が触れた可能性のあるものに触れた場合は使用してください。施設の入り口等にも設置されていることも多いので積極的に使用しましょう。アルコール手指衛生剤が入手できない場合は、流水による手洗いも十分効果があるので心がけてください。手洗い後、手が濡れた状態でアルコール消毒剤を擦り込むと効果が極端に落ちるので、アルコール消毒剤は手が乾いている状態で使用して下さい。

◎家庭内での徹底

第一に、家にウイルスを持ち込まないこと。同居するご家族にも同様に手指衛生を徹底してもらってください。同居家族に高齢者や基礎疾患がある人がいる場合は特に厳重に予防策をおこなってください。

アルコール手指消毒剤のことはこちらでも

ポイント2

咳エチケットの徹底

咳やくしゃみの飛沫による感染を防ぐために、咳チケットを徹底しましょう。感染を拡大させないために、手指衛生と同じくらい重要です。

◎手でおおうのはNG

気をつけたいのは、咳やくしゃみをする時に、手でおおうのはNGだということ。手にウイルスが付着した場合、ドアノブなどを介してウイルスを拡散させる可能性があるのです。手ではなく、肘などで押さえましょう。

◎鼻をかんだ後

鼻をかんだ後も、必ず手指衛生してください。使用済みティッシュも他の人が触れないように確実に捨てることも大事です。自分自身を守ることはもちろんのこと、家族や第三者にうつさないための行動を心がけましょう。


●厚生労働省 ホームページ 「咳エチケット」
●東京都感染症情報センター 咳エチケットに関して
ポイント3

感染リスクのある場所について

現在、感染経路が特定できない感染者が多く報告されており、一部の地域で小規模な患者集団(クラスター)が発生していると考えられています。
このクラスターへの感染対策が遅れると感染の連鎖が始まり、大規模な感染拡大につながる可能性があります。

そのため、自分が感染しないことはもちろん、感染を拡大させないためにも、集団(クラスター)が形成される場所に行くのは控える必要があります。
これまで感染が確認された場所に共通するのは、①換気の悪い密閉空間、②人が密集していた、③近距離で会話や発声行われていたという3つの条件が同時に重なった場所です。これらの3つの条件が全て重ならないまでも1つまたは2つの条件があれば、何かのきっかけで3つの条件が揃うことがあるので注意が必要です。

感染リスクのある場所

クラスターの発生リスクを下げるための3つの条件

  • 1)換気を励行する:可能であれば2方向の窓を同時に開け、換気する。
  • 2)人の密度を下げる:人が多く集まる場合には、会場の広さを確保し、お互いの距離を1〜2m程度空けるようにする。
  • 3)近距離での会話や発声、交唱を避ける:やむを得ず近距離での会話が必要な場合、咳エチケットを徹底し、マスクを着用する。

これらに加え、不特定多数がモノを共用する(接触)場所でも感染が確認されているので、こまめな手指衛生と咳エチケットは必須です。
また、共用するモノや環境表面もこまめに消毒することは重要です。

ポイント4

サージカルマスクの着用について

サージカルマスクは「感染から自分の身を守るためのもの」という印象を持っている方も多いと思いますが、どちらかというと「第三者にうつさないためのもの」を目的として製品化されています。サージカルとは「手術用」の意味。医師等が自身の呼気からの飛沫を患者さんに飛ばさないために装着します。

ウイルスに感染しないためには、マスクよりも手指衛生を徹底することの方が効果的です。マスクが手に入りにくくなっており、不安に思うかたも多いとは思いますが、逆に、「マスクさえしていれば人混みでも安心」と考える方が危険だったりします。

また、取り扱いを注意したいのは、使用後のマスク。使用中または使用済みのマスクの表面は汚染されている可能性があるので、マスクに触った後は必ず手指衛生を。子どもの手に触れるところに放置したりしないように、きちんとゴミ箱に捨てましょう。

ポイント

医療機関に直接行かない

「感染したかもしれない…」と思われる症状が出た場合、いきなり医療機関に行かないようにご注意ください。ただし、下記のような場合には決して我慢することなくただちに、下記の帰国者・接触者層団センターに相談して下さい。

  • ○風邪の症状や37.5°C以上の発熱が4日以上続いている
    解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます
  • ○強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
    ※高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が2日程度続く場合

ただし、症状がひどくないのであれば、安易に病院に行かないこと。病院に負荷がかかるだけでなく、今、病院(外来)は、疑い患者が大勢いるクラスターになっているので、院内感染のリスクが高まっています。ただの風邪だったのに、病院の外来で新型コロナウイルスに感染することもあり得ます。


●厚生労働省 新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター

連日の感染に関する様々なニュースで不安になる方も多いと思います。感染が拡大しているということは、同時に症例が増えることで対策方法の研究も進みやすいということでもあります。重要な情報が発表された際には、モレーンコーポレーションHPもしくはこちらJOKIN’Sのサイトでもお知らせしていきたいと考えています。

現在、高齢者や、持病をお持ちの方は重篤化しやすいとされていますが、その他の方は症状が軽微なことが多く、そのため感染が拡大しやすくなっているとも言われています。一人ひとりの日々の感染対策の実践が、感染拡大を食い止めます。できることから実践していきましょう。

参考文献;

●新型コロナウイルス関連肺炎(COVID-19感染症)に対する感染対策
https://www.moraine.co.jp/emergency/ncov2020.html


●新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応について – 日本環境感染学会 2020年3月2日
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328


●新型コロナウイルス感染症対策専門会議の見解等 – 厚生労働省 2020年3月9日
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html




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