ジョキンズ

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Interview

医療従事者インタビュー

教えて、黒須さん!

Vol. 04
「ベトナムのワークライフバランス。」

感染管理の専門資格である感染管理認定看護師であり、感染制御学の博士。 海外での活動経験もある黒須一見さんのインタビュー連載第二弾。 第4回目のテーマは、ベトナムのワークライフバランスについて。 現地の人の生活・暮らしぶりもふくめて、紹介していただきました。

profile

黒須一見

Hitomi Kurosu

感染管理認定看護師 国立国際医療研究センター 客員研究員 1990年より看護師として勤務。2005年に感染管理看護師(CNIC:Certified Nurse in Infection Control)の資格を取得。2008年から5年間大学院に通い、修士・博士課程修了。2017年から2019年にかけて、ベトナムの医療施設において感染に関する運営管理・管理能力向上支援プロジェクトに参画。

2020年7月22日(水)

vol. 04

ベトナムのワークライフバランス。

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16時、ベトナムのお母さんたちのお迎えダッシュ!

日本でも働き方改革などいろんな取り組みが推進されているかと思いますが、ベトナムの働き方、ワークライフバランスについてもご紹介したいと思います。
私が働いている病院は定時が16時なので、みんなピッタリ16時で帰ります。インフラが整っていないので、交通手段がバイクしかなく、みんなお子さんのお迎えにいくのです。

日本だと小学生が一人でバスに乗って登校・下校することは当たり前ですが、ベトナムはバスかバイクしかないので、小・中学生は送り迎えをしてあげないといけないのです。
もちろん仕事が終わらない日もあります。お迎えして、子どもにご飯を食べさせた後に、もう一度職場にやってくるスタッフがいたり、自宅で仕事をしたりとか、みんなそれぞれ家のこととのバランスを考えながら、仕事に向き合っています。

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サプライズの花束とホールケーキで派手にお祝い。

お祝い大好きベトナム人は、スタッフの誕生日祝いも一生懸命です。
ベトナムでは誕生日の人がみんなに朝ごはんをごちそうするという文化があり、参加者はお花を贈ってお祝いします。花を贈ることはベトナム人にとって日常的なことなので、アレンジメントも上手なんですよ。

おいしいご飯をデリバリーしたり、しっかりお祝いするので、周囲の人の誕生日を覚えておかなくてはいけないのが大変です(笑) 就業時間よりも早い7時に集合して、みんなでフォーを食べる! なんてことがベトナムでは当たり前です。

プロジェクトチームでもお誕生日をお祝いしていますよ。
日本人三人、ベトナム人三二人のチームですが、誰かの誕生日にはサプライズで花を買って、ケーキ注文。お昼ごはん終わったらケーキとお花でお祝いしています。ホールのケーキを食べる機会が増えました。

▼誕生祝いのバースデーケーキ

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とにかく写真が大好きなベトナムのみなさん。

ベトナムのみなさんはとにかく写真が大好き。路上ではスマホはひったくられるので注意してねと言われていますが、みんな暇さえあればパシャパシャと写真を撮っています。
セルフィーも大好き。日本のデパート高島屋の前でパシャリ。かわいいお花の前でパシャリ。病院内でもしょっちゅう写真を撮っています。

ラウンドという病院内を回る活動の際は、外国人一人で勝手に回れないのでスタッフや部長先生や師長さんと回るんですね。ここが片付いてないとか、ここで手を洗っているかとか、抜き打ちでチェックしていくんです。終わったあとにどうだったかというコメントを求められるので話をしたあとに、必ず言われるのが「記念写真を撮ろう」です。1日何件もラウンドいくので、何回も記念写真を撮っています。

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もちろんSNSも大好き。仲間内の情報共有がすごい!

写真を撮ったらSNSにアップ!ベトナム人にとってSNSはとても日常的なものです。あるセミナーに参加したときのこと。終わったあとに全員で記念撮影をしたんですね。看護部長がSNSにアップしたようで、翌日私がそのセミナーに参加したことをみんながみんな知っているのです!

タクシーを降りた直後にアシスタントから連絡があり「いまタクシーに乗ってたでしょ?」と言われたこともありました。「友人があなたを私のSNSで見かけるから顔を覚えていて、街であなたを見かけたっていったの」と言うのです。プライバシーって何だっけ?と思ってしまうような出来事がベトナムではふつうに起こります(笑)

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(Vol.05へつづく)