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2020年8月17日(月)

界面活性剤が新型コロナに効くってホント?

界面活性剤というものが、食器洗い洗剤や、トイレやお風呂の洗剤に使われていることは、
なんとなく知っている。でも、まさか新型コロナ対策に使えるとは…
驚いた人もいるのではないでしょうか。



ちなみに、何に使えるのかというと…

新型コロナウイルスの消毒・除菌には大きく3つの対策があるわけですが、


  • 1:手や指などのウイルス対策   …手洗い、アルコール
  • 2:モノに付着したウイルス対策  …熱水、塩素系漂白剤、洗剤(界面活性剤)…etc
  • 3:空気中のウイルス対策     …換気

今回は2:モノに付着したウイルス対策に使えますよ、というお話です。



Point

そもそも界面活性剤とは?

界面活性剤とは、界面(物質の境の面)に作用して、性質を変化させる物質の総称。
本来、水と油のように混じり合わないものを、混ぜ合わせるのに役に立ち、
汚れを落とす洗浄の働きをしてくれる物質。代表的なものに石鹸(脂肪酸塩)があります。
また、洗剤の他にも、医薬品、化粧品、食品などの成分としても広く使われています。

Point2

ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化する!

界面活性剤には、ウイルスの「膜(エンベロープ)」を壊すことで無毒化します。


ちなみに、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)の検証によると、
下記の9種類の界面活性剤が新型コロナウイルスに有効であることが確認されています。


NITE検証試験結果から有効と判断された界面活性剤(9種)

  • ・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
  • ・アルキルグリコシド(0.1%以上)
  • ・アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
  • ・塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
  • ・塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
  • ・塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
  • ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
  • ・純石けん分(脂肪酸カリウム)(0.24%以上)
  • ・純石けん分(脂肪酸ナトリウム)(0.22%以上)

具体的な製品リストは、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)HPに 掲載されていますので、手持ちものが該当するかチェックしてみましょう。





Point3

家具用洗剤はそのまま。台所用洗剤は薄めて使う。

家具用洗剤の場合、製品記載の使用方法に従ってそのまま使用します。
台所用洗剤の場合、薄めて使用してください。



台所用洗剤を使用する場合

  • 1. 500mlの水に対して台所用洗剤小さじ1杯(5g)をまぜる。
  • 2. 洗剤で拭いて5分程度待つ
  • 3. 水拭きで洗剤を拭きとる
  • 4. 最後にキッチンペーパーで乾拭き。

【 注意点 】
手指・皮膚には使用NG、スプレーボトルでの噴霧NG、薄め液はすぐに使い切ること。 また、これらの9種類の界面活性剤の効果は、ノロウイルスなど他の病原体への効果は 検証されていないのでご注意ください。

<まとめ>



アルコールの品薄状態が続いたことで、他の方法で消毒・除菌できないかと
様々な検証がおこなわれています。今後も様々な発表が続くと見られていますが、
これまでもこれからも、手洗いの大切さが変わることはありません。
暑い日が続きますが、地道にコツコツ、頑張っていきましょう。

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<参考文献>

厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設HP
新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)HP
新型コロナウイルスに有効な界面活性剤が含まれている製品リスト
https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html

経済産業省・NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)ポスター
「ご家庭にある洗剤を使って身近な物の消毒をしましょう」
https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-3.pdf