ジョキンズ

感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。

Interview

医療従事者インタビュー

教えて、目崎さん!

Vol. 02
「感染しない環境、4つのコツ。」

感染管理の専門資格である
感染管理認定看護師である目崎恵さんに
感染予防のあり方について聞いてみました。

profile

目崎 恵

Megumi Mezaki

1996年より看護師として勤務。2012年に感染管理認定看護師(ICN:Infection Control Nurse)の資格を取得。病院内でヨガ教室を開催するなど、既存の仕事の範囲を超えて、アクティブに周囲を巻き込む行動派。プライベートでは専門学校1年生の長女と高校3年生の次女の二人の娘の母でもある。

2019年8月9日(金)

vol. 02

感染しない環境、
4つのコツ。

image_pic

感染率1%、でも患者さんにとっては100%です。

感染管理の仕事で一番大事にしていることは「患者さんが自分の大切な人だったら」という視点です。
やっぱり、感染してほしくないですよね。たとえば手術をして起こる感染率が1%のデータでも、感染してしまった患者さんにとっては100%なわけです。
1%だからまぁいいや、という気持ちにはなれません。

感染を防ぐための環境づくりとして、まず第一に患者さんの立場になるということを大事にしています。 そもそも、患者さんは医療従事者に要望を言いにくい。手をきれいにしてほしいな、と思ってもなかなか言えないですよね。だから、ベッド脇に「私に触る時は手指消毒をお願いします」という表示シートを用意することにしました。

医療従事者も人間ですから、忘れてしまう時があるかもしれない。そんな万が一の時のメモとしての機能も果たしてくれています。

kv2
4つのアルコール消毒、どこが一番減ると思いますか?

二つ目に大事にしていることは、人の行動を観察すること。
たとえば、3台並んだエレベータ前に設置した4つのアルコール消毒薬。どれが一番減るかわかりますか?

答えは右から二番目。ここはお見舞いのお客様が多いのですが、みなさん右側の通路からやってきて、エレベータのボタンを押す。このボタンの近くに置かれているアルコール消毒薬がとにかく一番使用されています。
また、どのエレベータが開くかわからないから、だいたい真ん中に立つのです。実はこの間、他に何かすることのない場所。そんな時に目につくのも、やはり右から二番目のアルコール消毒薬なのでしょうね。
そして、エレベータの中にも設置してあるのですが、ここも実は同様の場所。この中での使用量もとても多いのです。
面会用の用紙を記入する所にも設置していますが、ここは減らないんですよね。「記入する」という目的があるので、ここではやらないのです。
他の目的がなく立ち止まるエレベータ前やエレベータ内は、やる。
人間の行動を観察して、環境改善をつなげる。狙いがハマった時は、すごく気持ちがいいですね(笑)

kv2
「しなきゃいけない」を、頑張り過ぎない。

三つ目に大事にしていることは、しなきゃいけないを「頑張り過ぎないこと」

「子どもに手洗いさせなきゃ」
「鶏肉を切ったまな板は念入りに消毒殺菌しなきゃ」
「子どもの制服、クリーニングに持っていかなきゃ」

感染予防のために、やらなきゃいけないタスクって、家庭の中に案外たくさんあるんです。しなきゃいけないことの山積みになっちゃうと、続かないですよね。
最初から完璧を目指そうとせずに、今できる事を継続すること。あれもこれも頑張りすぎないことが大切です。
たとえば、ご飯を食べる前にはテーブルを拭くこと、帰ってきたらまず手洗いをすること、出来ることを続けることが大切です。

kv2
小さな改善が好き。知らなかった自分を知ることができた。

感染管理認定看護師になって、自分は「小さな改善を積み重ねること」が好きなんだと気づきました。逆に言えば、問題を問題のままで放置するのがイヤな性格なんだなとも(笑)

おなじ仕事をしている看護師さんと会うこともありますが、みなさんそれぞれ個性が違うんですよ。やり方も人それぞれ。みんな自分の強みを生かしたスタイルで、感染対策に取り組んでいます。
だから、家庭でのやり方も、人それぞれでいいと思います。
たとえば、お気に入りの感染対策グッズを買ってみるのもいいし、家族のイベントにしてみたり、仕掛けを考えるのも楽しいですし、自分にあったやり方を見つけて、続けることを目標にするといいのかなと思います。

kv2

(Vol.03へつづく)