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Interview

医療従事者インタビュー

教えて、黒須さん!

Vol. 06
「感染管理の看護師のキャリア。」

感染管理の専門資格である感染管理認定看護師であり、感染制御学の博士。
海外での活動経験もある黒須人一見さんのインタビュー。
最後となる第6回目のテーマは、感染管理の看護師のキャリアついて。
「当時は遠回りだと思ったこともぜんぶ後で生きた」と語る黒須さん。
ご自身のキャリアを振り返りつつ語っていただきました。

profile

黒須一見

Hitomi Kurosu

感染管理認定看護師 国立国際医療研究センター 客員研究員 1990年より看護師として勤務。2005年に感染管理看護師(CNIC:Certified Nurse in Infection Control)の資格を取得。2008年から5年間大学院に通い、修士・博士課程修了。2017年から2019年にかけて、ベトナムの医療施設において感染に関する運営管理・管理能力向上支援プロジェクトに参画。 ※下記内容は2019年秋の取材当時の情報です。

2020年2月21日(金)

vol. 06

感染管理の
看護師のキャリア。

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48歳ではじめて海外での仕事にチャレンジしたこと。

ベトナムに行くと周囲に告げたとき「せっかく長く勤めたのに病院を辞めてまで、ベトナムに行くのはどうして?」とすごく聞かれました。
確かに私のように若いとは言えない年齢ではじめて海外協力の仕事をする人は多くないようです。

でも「若い時に行ってたらどうだったかな?」とも思うんです。
知識もスキルもなければ、何も教えてあげることができなかったんじゃないかなとも思いますし、その時の後悔を胸に「もう一度来て、次はこんな風に頑張るぞ」って二回チャレンジすることだってできるな、とも思います。
結局、どっちがいいかなんてわからないなと(笑)

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遠回りだと思っていたことも、後でぜんぶ生きた。

感染管理の看護師さんたちに伝えたいことは「やってきたことは後でぜんぶ生きる!」ということです。
資格をとって感染対策専門の看護師になっても、感染のことだけを集中してやれるわけではなく、いろんなことをやらなきゃいけないんですよね。
看護師募集のチラシ配ったり、自分と関係ないことでも謝罪したり…中にはこれ雑用なんじゃない?と思うようなこともあると思うんですよ。

いま私は感染管理と看護管理の両方を任されているのですが、ベトナムの看護部長さんと話す時に「日本の現場では何をどんな風にやっているのか?」とすごく聞かれるんですね。
すごく具体的に質問される。だからいろんなことをやった経験がすごく生きる。雑用だと思っていたようなことでも生きる。
そう考えると、キャリアって面白いなとつくづく思います。

▼感染制御部、ICPメンバーとラウンド

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20代の手術室での経験も、すごく役立っています。

20代の頃、希望していなかった手術室配属になって早く抜けだしたいと思っていました。
結局8年間いたんですけど、当時の経験も生きてるんですよね。
ドクターと手術の話をする時、具体的に話ができるので信用してもらえるんですよ。

ちなみにベトナムの病院の人たちは日本への憧れが強いようで、日本のことをすごく知りたがってくれるんですよ。ラウンドの時も「日本ではこういう時どうするんだ」ってしょっちゅう聞かれます。
日本と環境もちがうから参考にならないよって言うことも多いんだけど、それでもいいから聞かせてくれ!って。
説明すると 「それはこっちではできない」 と言われがちなんですけどね(笑)

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身をもって感じる、スキルを磨くことの大切さ。

ベトナムでもよく話をしていることは、仕事のスキルを磨くことの大切さです。スキルを高めるために日々コツコツやりましょうと。日本の技術力を学びたがっている人がこんなにいるって初めて知って、自分たちの環境が恵まれていたんだということにも気づきました。
学ぶ環境があるって贅沢なことなんだということにも気づきました。

学んだら、ぜひ発信してほしいと思います。
この前もベトナムで国際学会が開催されたので、発表したんですけど、日本の人がいっぱいきてくれました。

日本の感染管理のレベルって上がってきているんです。でも日本人はシャイだし、なかなか国際学会で発表する機会をつくれていない。
もっともっと日本のことを、どんなことでもいいので、発信してほしいなと思います。

▼2017年4月最初のイベント参加証/チョーライ病院国際学会

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95点から上を目指す苦労。だからこそ、褒め合う機会を。

私も年に何回か日本に帰ってきて、学会やセミナーに参加しています。
やっぱり同じ仕事をして頑張ってきた人と会うと、元気をもらえるんです。でも、時々少し心配になることもあります。それは、日本の感染管理のレベル日本は95点くらいのハイレベルになってきているので、あとわずか少しをあげるためにしのぎを削っているので、辛い状況にいる人もいるんじゃないかということです。

95点から100点を目指すってすごく大変。
「よく頑張ってるよ」って褒めたりする機会が少ないんじゃないかなと。
ベトナムはまだ全然追いついていないんですけど、なぜか楽しそうにやっているんですよ。
ハイレベルになってきているからこそ、褒め合う機会が必要なんじゃないかなと思います。

これで、私の回は終わりです。
全6回、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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