感染管理の専門家の
知識とノウハウをご家庭に。
医療従事者インタビュー
医療従事者インタビュー特別編
新型コロナウイルスの拡大で崩壊の危機とされる医療現場。
その医療現場の中でも、感染と最も近いところで働く医療従事者の一つに
「感染管理認定看護師(CNIC: Certified Nurse in Infection Control))」の方々がいらっしゃいます。
JOKINSではこれまで3人の感染管理認定看護師の方のインタビューをさせていただきました。
平時から院内感染を防ぐ彼女たちの言葉から、
今の私たちが気をつけるべきことを今一度確認してみましょう。
2020年5月1日(金)
並木 弥生
Yayoi Namiki
“原因の多くは人間の「手」を経由したものです。
私は、電車で人間ウォッチングするのが趣味なのですが、誰が触ったかわからないつり革や手すりを握った手で、目をこすったり、鼻をかんだり、お菓子を食べたり…無意識のうちに手はいろんなものを触っているんですね。
感染は粘膜からおこるので、口、目、鼻は要注意。知らず知らずのうちに、菌を粘膜に運んでしまっているわけです。
だから、感染管理でいちばん大事なことは、手指衛生。”
この医療従事者インタビューの初回ということで、感染管理認定看護師のお仕事や、感染管理の基本について語っていただきました。その中で出てきた一言。どんなに意識していても、“無意識のうちにてはいろんなものを触っている” …感染管理の基本は「手洗い(手指衛生)」だということを改めて再認識させられます。
目崎 恵
Megumi Mezaki
“感染管理の仕事で一番大事にしていることは「患者さんが自分の大切な人だったら」という視点です。
やっぱり、感染してほしくないですよね。たとえば手術をして起こる感染率が1%のデータでも、感染してしまった患者さんにとっては100%なわけです。
1%だからまぁいいや、という気持ちにはなれません”
未だ未知の部分が多い新型コロナウイルス。重度化は約20%、致死率は…と報道ではパーセントで病気の実態を語られることも多いですが、感染してしまった患者さんにとって病気は確率ではありません。現場で患者さんと接する目崎さんの「感染してしまった患者さんにとっては100%」という言葉には非常に重みを感じます。
黒須 一見
Hitomi Kurosu
“時々少し心配になることもあります。それは、日本の感染管理のレベルは95点くらいのハイレベルになってきているので、あとわずか少しをあげるためにしのぎを削っているので、辛い状況にいる人もいるんじゃないかということです。
95点から100点を目指すってすごく大変。
「よく頑張ってるよ」って褒めたりする機会が少ないんじゃないかなと。”
ベトナムでの感染に対する支援プロジェクトに参加されていた頃、日本に戻られた黒須さんが感じられた日本の感染管理の現場について。非常に高いレベルの感染管理で、今、日本では新型コロナウイルスによるオーバーシュートは起きていないと言われています。一方で、感染を食い止めるために働く医療従事者への偏見や差別が拡大していると言われ、先日の専門家会議でも警鐘が鳴らされました。直接でなくても、負担をかけない・減らす方法が、私たちにもあるのではないでしょうか。